フレッツ光から他社に乗り換えることを転用と言います。
2015年以降は、さまざまなインターネットサービスが出ていていて、それぞれがお得な割引・キャッシュバックをつけているので、転用する人も非常に多くなっています。
ですが、転用は「やれば必ずお得になる」というわけではありません。
逆に割高になったり、通信速度が落ちたりする場合もあるので、判断は慎重にする必要があります。
この記事では、「転用をする前に知っておかないといけない基礎知識」と、「転用のメリットデメリット」「転用するかどうか判断する基準」について詳しくご紹介しています。
フレッツを利用中で、他社回線への転用(乗換え)を検討中の方は、この内容を頭に入れてから判断してくださいね。
※フレッツ光からドコモ光への転用をご検討中の方は、「【事前に確認!】フレッツからドコモ光に転用すると損する場合がある!失敗しない手続き方法を解説します!」の記事をご参考ください。 |
この記事の目次
①「転用」って何?「乗換え」とはどう違うの?
転用というのは「フレッツ」から「コラボ光(ドコモ光・ソフトバンク光・OCN光など…)」への乗換えのことを言います。
コラボ光以外(auひかりなど)への乗換えでは、転用という言葉は使わないんですね。
1.1コラボ光は、使っている設備はフレッツと全く同じ
NTTが提供するインターネット回線サービスの名称がフレッツですが、NTTが保有するインターネット回線(フレッツの設備)はNTT以外の事業者も提供しています。
フレッツ以外のインターネット事業者(ソフトバンクやドコモ、OCNなど)はNTTから光回線を借りた上で、自社のサービスとしてユーザーに提供しています。
こういった事業者のことをコラボ光レーション事業者と言います。
つまり、コラボ光は「ドコモ光」などの名前の違いはあれど、使っている設備(回線など)は、全く同じということになります。
ユーザー目線で言うと、「使っている回線はそのままで、契約する事業者だけを変更する」のが転用ということになります。
「ID」や「電話番号」はそのまま引き継がれる
転用する場合、NTTから発行されているCAF、COPなどのお客様ID、ひかり電話番号もそのまま引き継ぎになります。
転用先のコラボ光レーション事業者が提供していないサービスは、従来のままNTTが提供します。
(例えば、朝日ネットはコラボ光の回線提供はしているが、ひかり電話の提供はしていないため、NTTが従来通りひかり電話を提供するなどです。ユーザー側であまり気にする必要はありません。)
1.2コラボ光にはどんなものがあるの?
コラボ光レーション事業者は、もともとNTTがフレッツとして提供していた回線をそのまま提供しています。
この回線サービスのことをコラボ光と言います。
コラボ光を提供している事業者には、プロバイダ事業者や大手携帯キャリアなどがあります。
コラボ光を提供している事業者は以下のような形態があります。
【プロバイダ系】
「AsahiNet光、OCN光、ビッグローブ光、So-net光など・・・」
もともとプロバイダ事業を行っていた会社がNTTから光回線を借りてユーザーに提供しています。
コラボ光レーションは2015年から始まりましたが、それ以前は「光回線はNTTのフレッツを契約し、プロバイダは別途契約しなければならない」という形でした。プロバイダ事業者がコラボ光を提供することにより、ユーザーの契約先が1つになります。
下に紹介する携帯キャリアなどのコラボ光と比べると、セット割などの目立ったな割引はありません。
なので、基本的には大手キャリアのセット割が使えない、格安スマホユーザーにおすすめのサービスとなります。
【携帯キャリア系】
「SoftBank光、ドコモ光など・・・」
大手携帯キャリアであるソフトバンクやドコモもコラボ光を提供しています。そもそもコラボ光は、「自社独自のサービスを提供できる」という事業者側のメリットがあります。
携帯キャリアが提供するコラボ光とスマートホンをセットで契約すれば、料金割引サービスが受けられます。
(割引額が大きいので、この2社はコラボ光ではダントツの人気になっています。)
【異業種系】
「TSUTAYA光など・・・」
TSUTAYA(ツタヤ)といったら、DVDレンタル業がメインの会社ということは有名だと思います。異業種であるTSUTAYAが電気通信事業に参入しコラボ光を提供しています。TSUTAYA光に加入すれば、毎月無料で映画やドラマが見放題になります。
コラボ光が始まる前も、もともとTSUTAYAはネット配信で映画やドラマを見るサービスを行っていました。コラボ光は、このように自社独自のサービス展開ができるのです。ただし、TSUTAYA光もプロバイダは別契約が必要になるので、料金を計算するときは注意が必要です。
他のコラボ光と比べると、映画等の見放題を計算に入れなければ割高になります。
②転用するメリットとデメリット
「もっと速い速度にしたい」、「キャンペーンで得をしたい」、「月々の基本料金を下げたい」など、フレッツ光からコラボ光に転用する理由は様々です。
現在フレッツ光を契約中の人がコラボ光への転用は簡単にできます。
しかし、必ずしも転用するのが良いこととは限りません。
転用のメリットとデメリットを説明します。
2.1転用するメリット
転用するメリットは大きく分けて4つあります。
転用のメリット1 「料金が安くなる」
コラボ光の一番の魅力は料金が安くなることです。
コラボ光に転用すると、基本料金は下のようになります。
コラボ光の料金相場 | |
戸建て | 5,100円 |
マンション | 4,000円 |
プロバイダー料金も込みで、この金額なので、多くの方はフレッツを使うより安くなるでしょう。
もちろん事業者によって料金に微妙に違いはありますが、上記の金額が相場と思っておいてOKです。
今あなたの毎月の料金がこれ以上の金額なのであれば、転用する方がお得になります。
転用のメリット2 「他サービスとのセット割」
コラボ光は、基本料金が安くなるわけではありません。
コラボ事業者独自の割引サービスを利用して、他の料金を抑えるのが賢い方法です。
中でも大手キャリアのスマホを使っている方は、「セット割」の利用を強くおすすめします。
スマホと同じ会社の光回線を使うだけで、月々のスマホ代が大幅に安くなります。
これだけで年間5万〜10万円の節約をできている人も多いので、ぜひ覚えておきましょう。
大手3キャリアのセット割の内容を簡単にご紹介しておきます。
大手キャリアのセット割 | |
ドコモ光 | 一人用プラン:500〜1,100円 割引/月
シェアプラン:800〜3,200円 割引/月 |
ソフトバンク光 | 500〜2,000円 割引/月
家族全員のスマホが割引対象 |
auひかり | 934〜2,000円 割引/月
家族全員のスマホが割引対象 |
※ auひかりはKDDIが保有する設備を使っているので、厳密には光コラボではありません。ですがキャンペーンで工事費無料などの特典があるので、光コラボと全く同じ内容で乗り換えることができます。設備の品質も同じなので、転用と差はありません。
セット割を使えば、家族全員のスマホ代が大幅に安くなるので、月々の通信費をグッと節約することができます。
他社でも、独自の割引(TSUTAYA光の動画サービス割引き、楽天ブロードバンド光の楽天ポイントなど)がありますが、最も割引が大きく利用価値が高いのが、大手キャリアのスマホセット割です。
転用のメリット3 「工事が不要」
フレッツ回線をそのままコラボ光回線へ転用するだけなので、工事が不要です。
基本的には宅内に設置してある機器類(ルーター、モデム)もそのまま利用します。
工事をしないため、当然工事費用も発生しません。(初期費用は事務手数料3,000円のみとなります。)
※auひかりへの乗換えは、工事費が無料のキャンペーンを利用できます。なので、転用するのと初期費用は同じです。
転用のメリット4 「NTT側への違約金が発生しない」
フレッツ光西日本の「もっともっと割」、フレッツ光東日本の「にねん割」などは、通常、途中解約で違約金が発生します。
しかし、コラボ光への転用は違約金が発生しません。
コラボ光はそもそもNTTが始めた光回線の卸売業です。
コラボ光レーション事業者はNTTにとっては代理店のようなものです。わざわざ違約金を取る必要が無いからです。
※auひかりへの乗換は、違約金をKDDIが負担してくれるので、利用者側の自己負担はありません。なので、auひかりだけは光コラボと同じ立ち位置として紹介されることが多いです。
2.2転用するデメリット
料金面で圧倒的にメリットが多い転用ですが、デメリットもあります。
利用を検討するときは、下記の点を知った上で判断するようにしてみてくださいね。
転用のデメリット1 「速度が落ちる可能性がある」
これはプロバイダが変わるために起こり得る可能性があるデメリットです。
例えば、「フレッツ光+プロバイダがOCN」を使っていたユーザーがSoftBank光へ転用したとします。
すると、プロバイダはOCNからYahoo!BBへ変更になるわけですが、Yahoo!BBの品質が悪ければ速度が低下してしまうのです。
(※プロバイダーの通信品質は、地域によって差があります。周辺の同じプロバイダーの利用者数などによって、速度に変化が起きるからです。)
ちなみにこの場合、OCN光へ転用すれば速度がフレッツを使っていたときよりも落ちるということはあり得ません。
「フレッツ+プロバイダがOCN」と「OCN光」の設備構成はまったく一緒だからです。
転用のデメリット2 「転用したらフレッツに戻せない」
フレッツ光からコラボ光へ転用するのは簡単なのですが、コラボ光からフレッツ光へ戻すことはかなり面倒なので注意が必要です。
転用とは、あくまでフレッツ光→コラボ光です。
コラボ光→フレッツ光へという転用はあり得ません。
フレッツに戻したい場合は、新規にフレッツを契約し、現在のコラボ事業者との契約を解約する必要があります。
解約するとひかり電話の番号が抹消されますので注意してください。
それに、コラボ光→他コラボ光へ移る場合も同じで、現在のコラボ光を解約することになりますので、ひかり電話番号は抹消されます。
(一般加入電話の加入権をお持ちの方は、いったんアナログ回線電話に戻すことで次の契約回線でひかり電話番号を引き継ぐという方法があります。詳しくは116へご確認ください。)
転用のデメリット3 「逆に料金が高くなる」
・・・せっかくコラボ光へ転用したのに、料金が高くなってしまう場合もあります。
そもそも、コラボ光とフレッツ光の基本料金の差はあまり大きくありません。
各種割引サービスを利用して初めて差が出ます。特に、NTT西日本のWebもっともっと割はインターネット回線の中でもかなり安い方で、長く利用するほどお得になります。
今あなたの月々のネット代が、光コラボの相場である下記金額
- 戸建て:5,100円
- マンション:4,000円
よりも高いか安いか、そして割引サービスを利用したらトータルの通信費がどれくらい下がるのかをおおまかに計算してから判断するようにしましょう。
光コラボの各社の特徴と、おすすめのサービスを下記の記事に詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
③転用の手続き方法
ここからは転用する際の手続きの手順をご紹介しておきましょう。
フレッツ光からコラボ光へ転用する手続きは簡単で、ネットで申し込みができます。
3.1転用承諾番号の取得
まずは、NTT東西のホームページから転用承諾番号を取得します。
または、電話でも取得できます。電話でも5分掛かりません。
手続きをスムーズに進めるために、以下の情報が必要なので事前に用意しておきましょう。
転用時に必要な情報 |
|
3.2光コラボに申し込む
電話かネットからの申し込みで転用承諾番号を取得したら、次に転用先のコラボ事業者のホームページで申し込みの手続をします。
申し込み時に転用承諾番号が必要になります。
気をつけて欲しいのは、「フレッツの解約をする前に、転用先の申し込みをする」という点です。
順番を逆にしてしまうと、転用ができなくなったり、ネットが使えない期間が出てきたりするので覚えておいてください。
申し込みが終了すると、コラボ事業者から確認のメールが届きます(電話がかかってくる場合もあります)。
すぐに数日で資料が届くので目を通しておきます。
3.3開通したら、今まで使っていたプロバイダを解約する
申し込みから開通まで、だいたい1~2週間程度かかります。コラボ事業者から開通のお知らせが届いたら、新しいプロバイダの情報をルーターもしくはパソコンに設定すると転用先のインターネットが使えるようになります。
コラボ光の回線でインターネットが使えたら、いままで使っていたプロバイダへ解約の連絡が必要になります。
NTTへの連絡は不要です。
このような流れで、だれでも簡単にコラボ光への転用はできます。開通する前に早まって、前のプロバイダを解約してしまうと、使えない期間が発生してしまうので注意しましょう。
④フレッツで利用していた付加サービス(オプション)はどうなるか
フレッツ光からコラボ光へ転用した場合、いままで使っていた付加サービス(オプション)は自動で引き継がれます。
ただし、コラボ事業者の提供していないサービスは従来通りNTTから提供することになります。そのため、コラボ事業者からの利用料金の請求のほかに、NTTからのオプション利用料金の請求が来ます。
フレッツテレビ、ホームゲートウェイ、リモートサポートサービス、ひかり電話など基本的なフレッツのサービスはそのまま利用できます。ただし、フレッツメンバーズクラブ、フレッツまとめて支払いなど一部、利用料金を確認するためのサービスに関しては終了します。
コラボ事業者によって細かい違いはありますが、基本的にオプションサービスは自動で引き継がれると考えていいです。どうしても気になる場合はコラボ事業者へ確認するといいでしょう。
転用を検討する方は、下記の記事であなたに最適な転用先を選んでみてください。
各社の特徴・評判・料金を詳しく解説しています。