今ではインターネットは生活に欠かすことができず、毎日使うものなのでちょっとした通信の遅れでもストレスに感じるでしょう。
この記事は、快適にネット通信をするために「回線速度の正しい測り方」「正しく速度を測るための基礎知識」「通信速度の基準値」「問題の原因と対処法」という内容で説明しています。
今より快適なネット環境を作る方法が分かるので、回線速度に不満のある方は、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の目次
①通信速度の正しい測定方法
通信速度を測った事がある方も多いと思いますが、実は一回測っただけでは正確な値とは言えません。
通信速度を上手に測る方法を解説していきます。
1.1測定サイトごとにばらつきがあるのはなぜ?
光回線の速度測定ができるサイトはたくさんありますが、測定サイトごとで速度の結果にはばらつきがあります。
その理由として、以下のような事があげらえます。
- 速度測定サイトに現在アクセスしている人数の違い(混雑による遅延)
- 速度測定サイトのサーバー設置場所の違い
- 速度測定サイトのサーバーへ到達するまでの経路の違い
- 速度測定サイトの測定側コンピューターのスペック要因
- 測定ツールの方式の違い
また、同じ測定サイトでも、測る時間によっても結果にばらつきが出るのは、時間ごとでインターネットの利用人数が変化するからです。
1.2おすすめの速度測定サイト
光回線の速度測定サイトのおすすめをいくつか紹介します。
【BNRスピードテスト】
古くからある速度測定サイトで、Flashを用いた方式で下りと上りの速度を別々に測定できます。
FlashPlayer1をインストールしていない場合やスマホでは、画像読み込み版でテストができます。
BNRスピードテストは、時間をかけずにすぐ測れるという点で一番おすすめです。
【ブロードバンドスピードテスト】
下りと上りの速度とping値を、1度で同時に測定してくれます。
測定したプロバイダーを自動判定してくれて「私の地域でのスピード」では、自分の地域のプロバイダー各社の速度も簡単に調べることができます。
【FAST】
ページを開いた瞬間から速度測定が始まります。
Netflixサーバーから複数回ダウウンロードを実施し、そのスピードを計算して表示しています。
下りの速度を測るだけなので、上りやping値は測れませんが、単純で余計な情報が無い分使いやすいです。
【フレッツ情報サイト】
フレッツ光と光コラボの回線のみがアクセスでき、フレッツ網までの速度が測れるサイトです。
そのため、フレッツ網を経由しない回線(auひかり、NURO光、JCOM、LTEなど)ではアクセスできません。
フレッツ光ネクストの回線であれば、URLからIPv6用の情報サイトへすぐ繋がります。
IPv6用フレッツ情報サイト | |
東日本エリア | https://flets-east.jp/ |
西日本エリア | http://flets-west.jp/ |
またはIPv4のサイトで確認したい場合は、PPPoEの設定が必要です。
IPv4用フレッツ情報サイト(東日本エリア) | |
接続ID | guest@v4flets-east.jp |
パスワード | guest |
URL | http://v4flets-east.jp/ |
IPv4用フレッツ情報サイト(西日本エリア) | |
接続ID | flets@v4flets-west.jp |
パスワード | guest |
URL | http://v4flets-west.jp/ |
フレッツ光と光コラボ回線の速度を、フレッツ情報サイトで測るメリットが一つあります。
それは、プロバイダー側で遅いのか、フレッツ網までが遅いのかの判断ができる点です。
フレッツ情報サイトでは、フレッツ網までの速度を測れ、他の一般的な速度測定サイトはインターネット網までの速度が測れます。
フレッツ光と光コラボの回線は、フレッツ網の上位側にある網終端装置(NTE)でインターネット網へ接続します。
使う網終端装置は、契約のプロバイダーごとに違います。
つまり、フレッツ情報サイトの速度測定では高速でも、他の速度測定サイトでは遅い場合は、プロバイダーの網終端装置で混雑しているということが分かります。
1.3時間帯を分けて複数回測定する
光回線の速度は、時間帯により変化します。
それは、光回線は1本の光ファイバーを複数世帯で共有して使っているので、利用者が増える時間帯は一斉にデータの送受信が行われ、回線が渋滞して遅くなるからです。
光ファイバーでの渋滞以外にも、接続先のサイトにアクセスが集中している場合や、プロバイダー側で混雑しているなど、ネットワークの様々な場所で渋滞は起こります。
特定の時間帯だけ速度を測っても正確な速度は把握できないので、ある程度時間帯を分けて複数回測定することにより、混雑によって遅いのか、慢性的に遅いのかがわかります。
②適当な速度とは
通信速度が測れたら、次に自分のインターネット利用状況に合った速度なのかをみてみましょう。
2.1一般的な利用方法の場合に十分な速度
動画視聴など多くのデータが必要なケースでも、だいたい10Mbps以上が常に出ていれば快適に利用できます。
動画は高画質になればなるほど通信量を使うので、低中画質であれば2~3Mbps程度速度でも十分視聴が可能です。
スマホのような小さい画面だと、高画質も低画質も見た目で違いが分からないので、通常は低画質で利用するとよいでしょう。
パソコンの画面は大きいので「1080p」の高画質で利用する人が大半です。
動画よりも実は、ホームページを閲覧するときのほうが速度は重要です。
一日に、ホームページを数十ページ閲覧するようなケースでは、1ページあたりの表示が1秒遅いだけでストレスに感じるので、ページをサクサク開くために最低15Mbps以上が好ましいでしょう。
2.2不便に感じる速度
速度が1Mbpsを下回ると、ホームページがなかなか開かなかったり、動画再生中に途中で止まったりと不便に思う事が出てきます。
コンテンツごとに必要な速度の目安 | |
利用サービス | 目安速度 |
ホームページ閲覧(画像少ない) | 5Mbps |
ホームページ閲覧(画像多い) | 15Mbps |
中画質動画(HD720p) | 2.5Mbps |
高画質動画(HD1080p) | 5Mbps |
オンラインゲーム | 2Mbps |
ゲームのダウンロード(30GB) | 200Mbps:20分強で完了
10Mbps:6時間以上 |
ひかりTV | 20Mbps |
③速度が遅い場合の原因と対処法
何度が速度を測定した後は、遅い原因を見極めそれに合った対処法を試してみてください。
3.1端末側の問題の場合
同じインターネットに繋いだ端末全てで、スピードを測定してみましょう。
特定の1台だけが遅い場合は、回線ではなく端末側の問題だと分かりますが、その場合に考えられる原因は以下のようなものがあります。
- Wi-Fiが遅い
- 端末のスペックが古い
- 端末のセキュリティが強い
- 端末が故障している
Wi-Fi通信は、2.4GHzか5GHzの二つの周波数帯から選べますが、2.4GHzは遅く5GHzが速いので、5GHzで接続されているか確認しましょう。
しかし、5GHzは障害物に弱いという特徴があるので、場所によっては2.4GHzを利用した方が良い事もあります。
端末のスペックが古いケースだと買い替えるしかないですが、その前にOSのアップデートをすると改善する事もあります。
セキュリティが原因の場合は、一度すべてのセキュリティを停止させ、改善するようであれば設定を弱くするのも有効です。
3.2周辺機器が原因の場合
有線接続の場合は、LANケーブルの劣化やLANポートの故障などなども考えられます。
LANケーブル交換や、LANポートの変更を試してみましょう。
また、無線LANルーター(親機)や無線LAN子機が原因の場合もあります。
Wi-Fiには通信速度の規格があり、古いタイプの物は最大速度が54Mbpsしか出ないようなの機器もあり、いくら光回線が高速でも速度が出ません。
「1300Mbps」まで出る、最新の機器に買い替えたほうが良いでしょう。
無線LANルーターを最新のものに変えても、無線LAN子機(端末側)のスペックが低いと速度が出ないので、無線LAN子機も1300Mbpsに対応するものを購入しましょう。
ただ、スマホやタブレットは内蔵無線なので買い替えはできません。
規格は「11ac」で、アンテナ3本か2本の物が家庭で使うのに一般的なグレードです。
購入する際は規格を細かくチェックしなくても、「最大1300Mbps」などパッケージに表示されているので、そこで判断すれば簡単です。
Wi-Fi規格と速度 | |
Wi-Fi規格と最大速度 | 11ac:6.9Gbps
11n:600Mbps 11a:54Mbps 11g:54Mbps 11b:11Mbps |
11acのアンテナの本数と最大速度 | 1本:433Mbps
2本:867Mbps 3本:1300Mbps 4本:1730Mbps |
3.3プロバイダーの速度低下の場合
プロバイダーでの速度低下は、フレッツ光や光コラボ回線の「PPPoE方式」で接続しているときに起こります。
フレッツ光と光コラボ回線をあわせた利用者はとても多く、その中でもプロバイダー間で影響のでる「PPPoE方式」での接続が通信速度低下の原因になっています。
対処方法は、フレッツ光や光コラボ以外の回線に乗換えをするか、プロバイダー間の混雑が通信速度に影響を与えない「IPoE方式」で接続できるプロバイダーに変更するといいでしょう。
IPoE方式が使えるプロバイダーには、「@nifty・BIGLOBE・GMOとくとくBB・DMM・Yahoo!BB」などがあります。
これらのプロバイダーに変更し、「IPoE方式」が使えるようにオプションを契約します。
オプション名は、「v6プラスやv6オプション」、「IPv6高速ハイブリッド」などプロバイダーごとに違います。
または、auひかりとNURO光も「IPoE方式」の通信なので、これらの回線へ乗り換えてもいいでしょう。
3.4回線自体に問題がある場合
光回線自体に問題がある場合の原因は次のようなものがあります。
- 同一光ファイバー内収容ユーザーの一斉利用中
- 光ファイバーの接続点不良(故障)
一般的なファミリータイプの光回線では、NTT局内で光ケーブルをスプリッタという分岐装置で4本に分けます。
4本のケーブルは電柱を通り、住宅街まで到達すると、さらにスプリッタで8本に分岐させます。
つまり、もともと1本だった光ケーブルは、32本(4×8)に分岐され、32世帯が使えるようになります。
1本の光ケーブルの最大速度は、1Gbpsですが、何世帯もで共有し接続すると、帯域が分散され1世帯あたり約30Mbpsが最大速度になります。
改善方法としては、auひかりやNURO光など、フレッツ系回線よりも光ファイバーのシェア率が低い回線に加入することや、auひかりの10Gbpsや5Gbps、NURO光の10Gbpsや2Gbpsなど、もとの最大速度が大きい回線プランを選択することです。
また、光ファイバーの故障で遅くなるケースもあります。
電柱についているクロージャー内に光ファイバーの接続点があり、そこが「メカニカルスプライス」接続という方法になっていると、気温の変化により接続点不良を起こし、通信が不安定になることがあります。
光ファイバーに故障の疑いがあるときは、契約の回線事業者へ問い合わせれば遠隔で回線状態を調べてくれます。
④通信速度を測ってネット通信を今より快適にしよう
光回線の速度は、今回の記事で紹介したように無料で測れるサイトがいくつかあるので、簡単に測ることができます。
ネットワークの混雑状況によって上下するので、光回線の速度は常に一定ではありません。
そのため、時間を数回に分けて測定するとより正確に測れます。
回線の乗り替えも速度改善に有効な場合があります。
自分にピッタリの回線を簡単に見つけるために、以下の診断ツールを試すのもおすすめです。